『Mr.Blue』に赤い薔薇を・・・。情熱、それはJoe Sample!!
2007年 02月 05日頭の良過ぎる人の言う事は,時として、理解に苦しむことがありますよね。
マイケル・フランクス。
marieにとっては、彼の歌は(歌詞が)
?????
な、、、なんのこっちゃ・・・
と言う感じなのですが・・・^^;;;
さて、この『Eggplant』も収録されているマイケル・フランクスの「The Art of Tea」という名盤(の定番)
のラストを飾る 『Mr.Blue』 という、歌。
これ、実は、marieのファースト・ライヴのセットリストの中に入っているんですよ。^^
意外でしたか?
ここで、この歌はどんな歌か?ということを説明する前に,
歌詞の対訳を載せてみますね。
(kuni Takeuchiさんの訳です)
途中から。
”あの頃の君と僕との間に”と”はなかった・・・
あの悦びに終わりはないと思ってた・・・
天国がおっこちるなんて考えもしなかった
僕らは共に生き,愛し,笑い,泣いた
僕らの愛に終わりはないさ
今,君を想う僕は
Mr.ブルー
恋人がレースを買ってくれるという君
僕は言う、”いい奴だ,男前だし”
きっと君は今も思ってるんだろ
愛は全てを乗り越えられると・・・
わかるさ、でもそれは君の本心じゃない
ただ僕はずっとこの思いを守っていたいだけ
君の
しあわせをいのっていたいだけなんだ
みなさま、、特に女性のみなさまは、この詩を読んで、どう思われますか???
マイケル・フランクスの作品の中でも,この歌に関しては,
何を,どう,歌っているのか,
とても、良く、分るのですが、、、
でも、私…、何だか本当に申し訳ないんですけれど,
”情けないなぁ〜、、、この(歌に出てくる男の)人は・・・”
と、いつも思って来たんです。(^^;;;
だけど、男性がこの歌を聴くと,
”マイケルを抱き締めたくなる”とかいう意見が多いんですよ。
男の人にしか分らない、男のロマン、、、という感じなのでしょうね・・・。
だけど、女性にしてみれば,結構、残酷なシチュエイションです。
女性に,してみれば、、、ね。
12月にイタリアに行った時に,
ポジターノでのライヴを終えた私を、
ペペがソレントの駅まで迎えにきてくれました。
その時に,ナポリに帰る列車の中で、聞いてみたんです。
”ねぇ、ぺぺ。あなたはどうして結婚しないの?”
”結婚?・・・しないさ、、。多分、しないと思うよ・・・”
ぺぺが少し哀しそうな顔をしたので,marieはその後,しばらく黙っていました。
もう10年以上前になるかな?
ペペには、オルガ、という名前の彼女がいたんです。
オルガはぺぺの友人の、ルイッジの妹で、ローマに住んでいました。
ナポリとローマ…、ちょっとした遠距離恋愛でした。
marieとぺぺがナポリを歩いていても,
ペペはその頃,公衆電話を見つける度に,ローマにいるオルガに電話をしていました。
”ちょっと待ってて。電話するから”
”どこに?”
”ローマ”
”ぺぺ、またぁ〜??さっきしたとこじゃない!!!”
ぺぺは受話器に向かって言っています。
”アモーレ,アモーレ,アンケ イオ アモーレ” (アンケ イオ アモーレ=僕”も”愛しているよ の意味です^^)
”アンケ、イオ、アモーレ,だって!”アンケ”だって〜!!!
聞いちゃったもんね〜〜〜”
と言って、良くペペをからかったものです(^^;;;
でも、あんまり電話しまくるから,
”ペペ,そんなに好き好き言ってると,もう、トロッポ(いっぱい)になって、いつかバスタ(おしまい)になっちゃうわよ!!!”
と言うと,
”そうか?じゃあ、カーナは,好きだ,好きだ,って言ってほしくないのか?彼から”
と言うので、
”だって彼いないもん!それに、そんな風に言われた事ないから,分らないわ!!!”
と、答えました。
”じゃあ、もしカーナに彼が出来て,好きだ,好きだって、しょっちゅう言われたら,嫌か?”
”・・・・・え?い、、、、嫌、、、じゃ、、ないかな、、? 多分、もっと言ってほしいかも、、、”
”だろ?”
って、(^^;;;
こんな感じで,楽しく会話したものです・・・。
---ソレントは、その日,雨が降っていました。
列車の車窓に雨粒がポツポツと落ちて来て,一筋の線を描き、
曇って見えにくくなっていたオレンジやレモンの木が続く明るいソレントの街並が
その雨粒がたどった隙間から、滲んで見えました。
”ぺぺ、オルガは,どうしているの?”
思い切って,尋ねてみました。
”彼女・・・。さぁ・・・、、。知らないよ・・・。
彼女には,幸せになってほしいし、、、元気でいてくれればいいとは,いつも思っているけれど、、、
結婚なんて,僕に取ってはあまり大した問題じゃないのさ。
生きて行くにためには、そんなに必要じゃないのさ”
ぺぺは、そう言い切って、
”昨夜は寝てないんだ。眠たいよ。”
と、俯いてしまいました。
仕事をしていて,母と二人で住み,身の回りの事は全部マンマがやってくれるから,生活に不便は無いのでしょう。
結婚というものが男性に取って現実的な問題であるのなら,
そういう切迫感は、感じなくて当然なのかも知れません。
でも、周囲の子供達はペペとマンマ・テレサは”夫婦”だと思っていて、
”なんだかな〜、、、”
なんて、少し思ってしまう・・・。
少なくとも,ペペは,オルガに恋をしていた時は,もっと輝いていたように思います…。
”今でも,好きなんでしょう?オルガの事が・・・”
”さぁ、、、。どうかな、、、。
ただの”友達”さ、、、。”
”ふ〜ん・・・。”
列車は,終点ガリバルディ駅に着こうとしていました。
”あれ?オレ、切符何処に入れたっけな・・・”
ペペは,ズボンやコートのポケットを調べていますが,切符は何処にもありません。ペペは慌ててパニック状態になってしまいました。
“ちょっと待って、ぺぺ、落ち着いてよ!いつも大事なもの,どこに閉まっているの???”
と言うと,ペペは、黒いボロボロになった皮のパスケースを取り出しました。
切符を探していた時,
それは、出てきました。
・・・・・しわくちゃになった、オルガの写真が……。
---ペペもまた、『Mr.Blue』の一人なのかな・・・。
・・・そんな事を想いながら、marieは、この『Mr.Blue』を、今日も聴き、そして歌っていくのです・・・。
そこには,私の感情を移入出来る術もありません。
そんな”男のロマン”を、ただただ客観的にこの”どうしようもない程に美しい”メロディと共に歌うだけなのです。
ただ、この曲は,
Joe Sampleのピアノが無ければ,
私にとっては,成り立たない曲なのです。
Joeのピアノは,この歌を歌うマイケル・フランクス以上に、歌っているから。
---本音を。
(私には,そう聴こえるだけなのかも知れませんが・・・)
”そうなのか”
”そうなのか?”
”それでいいのか?”
”お前は、それでいいのか???”
”分るよ,でも本当は、そうじゃないんだろう?”
”そうじゃ、ないんだろう・・・?”
・・・・・と・・・。
---今日もここに来て下さって、ありがとうございました。
心からの感謝を込めて…
marie