母の愛。--『クーニャンさん』の思い出--
2011年 05月 08日今日も早朝から微震が続いていますね…。
みなさまのところも、どうか警戒なさって下さいね・・・。
今日は、母の日ですね。
marieの母に、”生んでくれて、育ててくれて、ありがとう”
と、今朝心の中で呟いたら、
ふと、私の幼稚園の時の記憶が蘇って来ました。
それは、年に一度の幼稚園での大きなイヴェント、”おゆうぎかい”で、起きた出来事です。
私marieは、女の子4人で”クーニャンさん”という歌に乗せて踊る役でした。
それぞれが、チャイナドレス風の衣装を着て、歌って踊るのですが、
みんなお洒落をしていて、イヤリングや指輪を付けていました。
それは、各自が家で準備するというもので、
私だけが、何も付けるアクセサリーが無かったのです。
でも、marieはそのことを、母には言いませんでした。
私の父は、教師をしていて、人から尊敬される大変立派な人でしたが、
いつも、貧しい人を助けたり、人にお金をあげてしまったりして、
うちにはいつも、お金がありませんでした。
18歳でその父と結婚し、19歳で私を産んで、そんな”変わり者”の父をフォローしながら、
貧乏な中、私を育ててくれた母は、どんなに大変だったかと思います。
その、幼稚園の”おゆうぎかい”の当日、
私の出番を観客席で待っている母は、同じ”クーニャンさん”役で踊る子供のお母さんから、
「どうしてかなちゃん(marieのことです)だけ、アクセサリーをしないの?」
と、聞かれ、
私のお遊戯に、それらの物(イヤリングや、ネックレス、指輪等)が要ることを、知ってしまったのだそうです。
私はそのことを、知りませんでした。
生徒の席から保護者席を見渡して、何故か途中から母の姿が見えなくなって、
”もうすぐ出番なのに…、ママは何処にいってしまったのかなぁ・・・”
と、子供心に、心配していました。
母の姿が見つからないまま、とうとう私の出番になり、
marieは、舞台の中央に立ちました。
そして、音楽が流れてきて、”クーニャンさん”の踊りが始まったと思ったら・・・
「待ってください!待って、待って下さい!!!」
・・・って、母が大声を出しながら、保護者席の中から人をかき分けて走って来て、舞台に上がって来たんです!
音楽が止まり、踊りは中断されました。
そして、
「はい。かなちゃんの、アクセサリーよ…。あぁ…間に合って良かった…。何も知らなくて、ごめんね…。」
・・・って、どこかの玩具屋さんで買って来たばかりの指輪やネックレスを、
舞台の中央で、皆が観ている前で、
marieに、付けてくれたんです。
その時私は、とても恥ずかしそうな顔をしたのを、今も覚えています。
でも、本当は、
泣きたいほど、嬉しかった…。
それらのアクセサリーを、母がどんな思いで、どんなに大変な思いをして、買ってくれたのだろう・・と、
子供心に、強くそう思っていました…。
大勢の人がいる中を、私にアクセサリーを付ける為に舞台に駆け上がって来てくれた、母…。
母とは色々ありましたが、
幼い頃の、このワンシーンを思い出すと、
今までの全ての悲しい出来事も、何も無かったように心の中で、溶けていきます…。
これが、本当の母の姿だと分かっているから…。
ママ、本当にありがとう…。
こんなに愛して育ててくれて、心から、感謝をしています。
読んで下さったみなさま、ありがとうございました…(涙)
母の日に感謝と愛を込めて
Kanafu Marie